備忘録。作品見た人にしかわからないような書き方です。

o 2021.4.2(fri)

20分くらいの短い作品で、少人数で、HIOHOP作品を。
というオーダーを言われたところから始まった。
HIPHOP作品というのはさておき(HIPHOPではない。コンテンポラリーダンスとも思っていないが。別に、ダンスってだけで良くない?良い加減。と思ってる。ダンスでなくても良いのだけど、わたしの場合はダンスが良い。)
今回横山のことを知らないダンサーたちとクリエーションするということで、今までは自分のカンパニー(lal banshees)ではわたしから声をかけて出演してもらっていたダンサーがほとんどだったせいか、少し言えばあとは感じ取ってくれていたことを、今回はかなり伝えないといけないということに序盤で気づいた。
気づいたと言っても、何をどの程度どう伝えるべきかすぐにわからなかった。
というのも目に見えてはっきりとわかっていることは言えるのだけど、感覚的なところだったり考え方のことだったりしたので、そもそも気の利いた言い方ができない。

ちょうど同時期に自分のカンパニーの方の再演のクリエーションがあり、それも相まって強く感じたこと。
「は〜わたしって作品を作っていく上で、今まで人間に興味なかったんだな〜。」ということ。
かなり語弊がある言い方ではあるけれど、肉体的にはおもろいと思っていた。
こう動くとおもろい。感情は現象として。
感情感情いうけど、感情以外のことだってあるのに、なんで全部感情にしなきゃいけないんだ。と思っていた。
このシーンで、この作品で、ダンサーがどう思っているかなんて考えていなかった。
そういう話がゼロだったわけではなく、終わってから聞いたりたまに話したりはしていたけど。
こういう気持ちでやって欲しいというのもない。何も考えたり感じないで欲しいというわけではなく、むしろ真逆で、ただ、演技はしないで欲しい、なので笑ってもいいしムッとしていてもいい。声を出したくなったら出しても良い。
ただなんでもいいわけではなくて、動きの表情が決まっていてそれは徹底的に詰めていく。
あとは、もう、その時を感じて立って欲しい。何も飾らず。
どういうことを考え、どういうことを感じているのだろうと思ってはいるものの、ダンスを作る上でそこを聞いても汲み取りきれないと思ってた。
むしろ意味のないなんでもないものから意味を出したり、何かあるように醸し出すのはダンサーの仕事と思う。
99%振付られているところから、残りの1%でどこまでもかけ離れることができる。
みんながみんなできることではない。
でも、だからダンサーというのではないか。そうであって欲しい。
そこをすっ飛ばしてやる方法はいくらでもあるけれど、そこを諦めたくないと思っている。
だから汲み取って形にするのではなく、全然関係ないもので、ただ滲み出るように(全てのダンサーを滲み出るように引き上げることをできてきたかというと別問題ではある。優秀な指導者じゃないので...演出家ならできるのかな)。

ともかく何か大きな理由があったわけではないけれど、別件で11月くらいから人と久しぶりに会うようになり、久しぶりに人と踊り、今までと意識が全然違うように感じた。
自分でもまだよくわかっていないけれど、人と関わって、人の話を聞きたい。

そんな心情の変化もあったり、なかったりしながら、そんなにいきなり人間変われないのでただただどう伝えるべきか〜〜〜と思いながら稽古は進んでいった。
物理的な理由でいつもとちょっと違うのは、その人を見ながらほぼ当て振りで作っていくところを、これやったらどうなる?みたいな実験をいつもより多めにやったクリエーションだった。

響の方々と関わることになる前に、車椅子に乗って生活する男の子と出会い、その子がどういうように生活しているか、生活のたった一片だけど見る機会があった。
ただ、今の社会は2本足で立って、目が見えて、耳が聞こえて、声が出て、手が指が動く人間が多くて(多いように見えて)、自分もそうで、たまたまマジョリティだった。
マジョリティに合わせた街ってだけ。
すごい長い年月をかけてマイノリティがマジョリティに合わせてもらってる社会が出来上がってる。
それが逆だったら、どうだったのだろう。
そんな妄想をしていた。

最後に、ダンサーが頑張っててすごかった、みたいな見え方だけになってしまっていたらわたしの作り方が悪かったと思う。
頑張っていてすごい、えらい、同じように、リズムが、構成が、細かい振付を、すごい。
本当にそうなのだろうか。
全ての人の感想を聞いているわけではないから知らないけど。

わたしたちはちゃんと見ようとしてるのだろうか。
嘘とか本当とかどうでもよくて、ただ目の前にある実体を。
こんなに違うじゃん(違わないじゃん)、ちゃんと見ようとしてる?、何も知らないだろ(わたしも)、想像してる?
これからも、わたしも考えていくことになるのだろうな。

一緒にできた、3人のダンサーに感謝します。

Integrated Dance Company響-kyo『逆さまの三月』
2021.3.27(sat)-28(sun)
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京)
振付・演出|横山彰乃
出演|中西涼花 泉葉子 菅谷有紗